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2022.03.31

ホテルの新規参入 ① アドバイザーについて

こんにちは。


ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。


以前にも、少し書きましたが、


最近、


「異業種からの、ホテルビジネスへの新規参入」


の問い合わせが、増えてきています。


不動産、建設は、


以前からよくありましたが、


最近では


「病院」


「アミューズメント(パチンコ)」


変わったところで、


「酒屋さん」


からの問い合わせがあります。


「魅力的な宿泊施設」


が増えることは、


業界にとっても、とても良いことです。


また、私個人的には、


「素人目線(良い意味での)」


は、とても大切だと思っています。


どの業界でも


長くいればいるほど、


「目が曇る」


ものです。


そういう意味では、


「澄んだ目」


を持っている異業種の方が、


「参入」


していただけるのは、


とても良いことだと思います。


ただし、


やはり、



「既存事業では成功」



したかもしれませんが、



「ホテル旅館で成功」



するかどうか、



は、


「アドバイザー(コンサルタント)」





「頭の切り替え」


が、90%だと思います。


もう少し、具体的に説明しますね。


まず、



「アドバイザー(コンサルタント)」


ですが、


ほとんどの新規参入の方が、

最初にアドバイスを求めるのが、


「金融機関」


です。


「物件情報」



「売買情報」



「資金調達」



などなど、金融機関は重要です。



ただ、



「金融機関は、ホテル旅館経営は、素人」



です。


上記の


「物件情報」
「売買情報」
「資金調達」


くらいまでは、対応できますが、


「事業計画」


は作れませんし、作らないです。


あくまで、上記の情報に限定するのが良いです。



次に、
アドバイザーとして、
意外に多いのが、


「知り合いのホテル経営者」


です。


これは、


正直、



「当たり外れがあり、ほとんどハズレ」



だと考えていただいた方が良いと思います。



特に、


「2代目3代目以降の経営者」


は、ほぼ役に立ちません。


似たことを、後述しますが、



ほとんどの方が


「知らない」


「できない」


「やらない」


からです。


仕方ないですよね、


おじいさんやお父さんが作った仕組みの上を、


ただ「漫然と歩いている」経営者が、


ほとんどですから。




また、


当然ですが、


「その運営されているホテル自体が儲かっていますか」


を確認する必要があります。


残念ながら、そうでないケースが多々あります。



「なぜでしょうか?」



簡単です。


「いまだに、
高度経済成長下と同じ感覚で経営している、
昭和の経営者」

だからです。


冗談のような話ですが、


京都にも、


「いまだに、毎月、東京のリアルエージェントへチラシの売り込み」






「営業活動」



として、最優先で取り組んでいるホテル・旅館があります。


残念ですが、


稼働率や収益は、言わずもがな、です。


批判するだけでは、
芸がないので、


一応、アドバイザーの見分け方を。


「ホテルの経営改善」
に限らず、経営の3つのリソース、

①ヒト(人材)

②モノ(建物・設備などハードなど)

③カネ(投資資金)

が重要なのは言うまでもありません。

現代では、

この3つのリソースに加えて、

④コト(情報)

が必要になってきます。

そこで、

ホテル旅館の経営コンサルタントや経営改善アドバイザーで

最も最初に出てくる言葉が、


「レベニューマネジメント(コントロール)」





「ダイナミックプライシング」


という言葉です。


「OTA対策は、どの程度されていますか?」


などの言葉が最初に出てこないと、


アドバイザーとしては、


ちょっと時代遅れなのかな、と思います。


もちろん


「スタッフとの面接」


「意識共有のための朝礼・夕礼の実施」


「営業会議の実施」


なども、重要なのですが、


優先順位としては、低く、


「ある程度の仕組みができている施設」


では、活きてくるとは思いますが、


1件単体の中小零細のホテル・旅館では、


経営改善の効果が見えず、


長続きしません。


改革を始めてから、


早くても6ヶ月か、1年後くらいからでしょうね。





さて、話をアドバイザーへ戻しましょう。

そこから、


私などへ、


「アドバイザーになってもらえませんか」

と、

ご紹介いただくことも多いですが、


だいたい、


他にも、複数の方が紹介されているので、


「私が選ばれることは、ほとんどありません」



これも、理由があります。


他のアドバイザーは、



「外資系ホテル出身者」


であったり、


「大手内資系ホテル出身者」


だからです。


そして、ほとんどの新規参入の経営者は、


こちらの方々を、


「アドバイザー」


として選びます。


確かに、ブランドとしては、良いのですが、


大切なのは、


「経営改善ができるのか?」


「経営改善の経験があるのか?」


です。


当たり前ですが、


「ホテル運営の経験はある」


でしょうが、


この経験は、何度も言いますが、


「すでに仕組みができている施設」


では、活きてきますが、


「今から仕組みを創る施設」


では、


「創った経験」


が必須です。


そのため、多くのアドバイザーの方は、


残念ながら、



しっかりと言うことは言うのですが、



ほとんど役に立ちません。



なぜなら


「知らない」


「できない」


「やらない」


からです。




冷静に考えてください。


外資系ホテルにしても、


大手内資系ホテルにしても、


「もうすでに仕組みが出来上がっている」


ホテルです。


その


「仕組みが出来上がっているホテル」


に、何年いても、何十年いても、


「仕組みの上を歩いているだけ」


です。


もちろん、


新規参入ホテルではなく、



「経営改善」



と言うことであれば、


まだ多少の役には立つと思いますが、


想像してください。




上記のような人材が、


「経営改善・改革」


ができると思いますか?


ましてや、


新しく仕組みを作る


「新規参入」


で必要なのは、


「自分でホテルを立ち上げた経験」





「自分でホテルを経営した経験」


そして、


「自分でオペレーションもできる経験」


です。




「外資系ホテル出身者」





「内資系ホテル出身者」


も、


どの経験も、持っていません。



参考にはなるでしょうが、


「アドバイザー」


には、残念ながら、なりません。



また、


「新規参入」


の時に、アドバイザーに求められる知識や経験は、


「コンセプトメイク」


「コンセプトカラー」


「設計図面」などから


「具体的なスケジュール」
(例えば、OTAといつ契約するのか)


「PMS(ホテルシステム)」


「人財採用」


など、多岐に渡ります。


これら、全てを経験している人間は、


なかなかいません。
(私は経験してますが)



また、


「設計図面」





「インテリアデザイン」



などは、


やはり専門の、ホテル設計やデザインを何十棟と経験している方と、



「ビジネスパートナー」



になっています。



考えてください。



年間、何千万円、何億円、


そして、これが10年、20年と


続くビジネスです。



事前の準備段階を、


甘く考えると、



「これらが全て赤字経営」



になります。


開業に関わるアドバイザー費用は、


もちろんホテルの規模にもよりますが、


設計士などの費用を入れても、


500-1000万円程度です。


ここは、


「絶対にケチる投資ではない」


と言うことを、


強くお伝えしておきます。


とても、大切なので、


もう一度言いますね、



「アドバイザー費用は、


絶対にケチる投資ではない」



と言うことです。


すでに、


一部の地域では、



「ホテル旅館は供給過剰」



と言われています。



ただ、


「私は、そうは思っていません」


ただ、



「同じような、特徴のないホテル旅館は、飽和状態」


だと認識しています。



特に、大阪や、京都などの観光都市は。


個性的、


かつ


これからの「インバウンドが求めている宿」


を実現したいのであれば、


私でなくても(私がベストだとは思っていますが)


「アドバイザー」


を必ずお願いしてください。




そうすることで、



「日本に、地域に、さらに魅力的な宿が増える」



ことを、心から望んでいます。


そして、そのためには、


「プロのアドバイザーに依頼する」


ことと、


「今までの発想思考とは、頭を切り替える」


ことが重要になります。


次回は、新規参入の


「頭の切り替え」


について、書きたいと思います。